ベトナムの人となり

ベトナム人の人となり。
言い換えるなら、性格や国民性。

それらは実際、人間の数だけ違いはあるもので、それを定義することに大きな意味はないかもしれません。

とは言ってもやはり、 日本人にとってはベトナムは外国であり、 「そんな考え方をするのか」とおどろく場面も多々あります。

そして最近では、日本をはじめ外国投資が集中するベトナム。
ベトナム人と仕事をする機会も増え、
ベトナム人の人となりを知っておくだけで避けられるトラブルもあります。

とっても純朴

ベトナム人は人懐っこく、明るい人が多く、そしてなにより純朴です。褒められたりうれしいことがあると、とてもうれしそう。悲しいことやイヤなことがあると、とてもかなしそう。いろんな感情が、はっきりと顔に出ます。顔に出すまいと頑張る日本人は、彼ら・彼女らの純朴さに人間っぽさを見て、オレ、肩に力をいれすぎかなぁと、ほっとさせられることもあるようです。

ホコリ、かなり高し

ハノイ・ホーチミンはとんでもないバイクの量で、排気の影響かホコリが空高く立ちこめます。
そして、ベトナム人のホコリも高い。純朴でありながら、プライドが高い。

とくに、みんなの見ている前で叱られることを嫌います。 叱られて顔がつぶれてショックを受けるだけではなく、どんなに正当な理由であっても、叱った人をとても嫌いになります。 これらは世間に舞台を広げても同様であり、ベトナム人は、世間の評判を非常に重く見ています。
隣人との付き合いはもちろん、親戚間でも保守的です。 経営する店が儲かっていても、そんなそぶりはまず見せません。

儒教社会であることに加え、共産主義の考え方が無意識に人々へ浸透しているのかも。

家族、この世で一番たいせつなもの

ベトナム人は家族を何よりも大切にします。家族のイベントがある日に、出勤をしてもらうことはまず不可能。

そして妻は夫をとても深く愛し、ずっとそばにいようとします。子は両親を立て尊敬し、親の同意がないことはすんなりとあきらめます。

また、親族どうしのつながりも強固です。核家族社会の日本では考えられないほど血縁を重視します。 年中行事の同席や、親戚間でのお金の貸し借り、学生の寄宿や職の紹介など、ベトナム人ひとりと付き合うならば、その後ろの人数も頭に入れておいた方がよいでしょう。 とくに、ベトナム女性に魅せられてお嫁にと考えている日本人男性の方・・・ 一族を養うだけのお金がいりますよ!

我に返るミーハー

新しいものに感化されやすい人種をミーハーと呼ぶことがありますが、ベトナム人は国民まるごとミーハーであると言っても過言ではありません。新しい店、新しい商品、新しさへの興味は尽きるところを知りません。

その一方で、すぐに我にかえります。オープンして混雑していた店も、一週間たてば閑古鳥なんてことがしばしば。 新しいものを試し、楽しみ、すぐに次の新しいものへ。新しさへの興味がベトナム経済の原動力なのかも!?

ノー・マネー・ノー・ライフ

ノー・マネー・ノー・ライフ、どの国でもそうなのでしょうが、ベトナム人はあからさまにお金が、お金の話がだいすき。 給料を聞くのは当たり前、昇給交渉も朝めし前、世の中のあらゆるものの値段が、世間話で語られます。 そして人の子ですから、自分の懐に入るの話はもっとも重要。

さらに、未来の不確定な大金よりも、目の前にある確かな現金。 また、借りた金額は忘れても、貸したお金は覚えています。 覚え書きのない金銭の貸しは、もうあげたものと思ったほうがよいでしょう。

進出している日系企業の就業規則に、「給与を言わない、聞かない」という項目があるとかないとか。

柔軟ロジカルシンキング

ベトナム人にものを頼むときは、理屈が通っていないと動いてくれません。 自分にどんな見返りがあるのか、その行為で何が得られるのか、人間的なつながりよりも、成果物を重視します。 いくら上司の命令であっても、納得しないといい仕事はしてくれません。

そして、そのロジカルさはとっても柔軟でもあります。 うまくいかなかったら、原因を考えるのはやめて、忘れてしまおう。 あまりよからぬ柔らかさなのかもしれませんが、気楽に生きるのがベトナム流です。

よく働き、よく休む

ベトナム人は手先が器用でよく働きます。特に女性は、とても勤勉です。 食っていくためのお金を得るため、わき目もふらずに働きます。

その一方で、休むときはきれいに休みます。 残業をしてもらいたいなら、残業をしなければならない理由を明確にしなければ、 彼女らは定時のチャイムとともに姿を消すでしょう。 そして、がんばりすぎないのもベトナム人。

今日中に終わらせなければと徹夜をするのではなく、今日が終わったなら、明日があるさという考え方。 仕事も遊びも、6割から7割できていれば、まあいいやという具合。 それは、決して楽だったとは言えない歴史の中で培われた、民族としての知恵なのかもしれません。

ストロング・ウーマン

ベトナム人の女性は、強い!
カカア天下という意味で、愛ゆえのしばりが、めっぽう強い。 雇ったレンタカーの運転手さんに度々かかる奥さんの電話は大目にみてあげねばありません。 何も報告せずに夜遅くなろうものなら、さあ、尋問のはじまりです。

そしてなにより、よく働き、柳のようにねばり強く、しなやかなベトナムの女性。 二十歳そこそこの娘さんと話していても、「家を養う」という意識が強いことに驚かされます。 美しくたくましい女性は、間違いなくベトナムの屋台骨であるといえるでしょう。

この記事は「ふむふむベトナム」の許可を得て一部加筆修正し転載しています。